サークル活動

高校時代に始めたギターは、今も私の生活に彩りを与えてくれる大切な存在です。ギターは「音を出すことさえ難しく、約9割の人が1年以内に挫折する」と言われる楽器ですが、私も例外ではなく、最初の1年間は自身で満足のいくような演奏をすることができませんでした。しかし、「自分の好きな曲を自分の手で奏でたい」という強い思いと、共に練習に励む仲間の存在が大きな支えとなり、高校から現在までの約7年間、ギターを継続することができています。

高校ではアコースティックギターに打ち込んでいましたが、大学からはより多様な表現を追求したいと考え、エレキギターも始めました。サークル活動では、仲間と共に練習を重ね、学内の小規模なライブから学園祭のステージまで、規模の大小を問わず数々の演奏機会に恵まれました。研究室配属に伴いサークルは3年次に卒業しましたが、音楽への情熱は変わらず、その後も演奏活動は個人的に継続していました。

サークル卒業後、特に印象深い経験があります。大学4年生の卒業直前、既にサークル活動は終えていた私に、かつて共にバンドを組んでいた仲間から「卒業ライブでギターを弾いてほしい」と特別な依頼がありました。通常、私たちのサークルでは1バンドあたり4曲程度の演奏ですが、依頼されたのはその倍の8曲でした。

研究室での活動が本格化し、多忙な日々を送っていたため、正直なところ出演すべきか非常に迷いました。しかし、これまで何度もライブに誘ってくれた仲間への感謝の気持ちを形にしたい、そしてこの大きな挑戦をやり遂げたいという思いから、出演を決意しました。

とはいえ、日中の大半を研究室で過ごすため、練習時間の捻出は大きな課題でした。そこで、私は以下の工夫を凝らしました。通常、ライブの練習は1~2ヶ月前から始めるのが通例でしたが、卒業論文や国際学会の論文執筆と時期が重なることを見越し、約半年前から練習を開始しました。その代わり、1日あたりの練習時間は30分~1時間と短く設定し、それを必ず研究室へ行く前の決まった時間に組み込むことで、無理なく日々のルーティーンに練習を取り入れました。この計画的なアプローチによって、論文執筆がピークを迎えた12月から2月にかけても、卒業論文と国際学会論文2本の執筆と並行しながら練習を継続でき、無事3月の本番に全ての曲を間に合わせることができました。

これらのギターを通じた一連の経験から、困難な目標に対しても諦めずに継続する力、多様な仲間と協力して一つのものを作り上げる協調性、そして目標達成に向けた計画性とそれを実行する力(スケジューリング能力)を培うことができました。