制作物2

モデリングを始めて半年ほど経った頃、これまでの作品よりも大規模で複雑なものに挑戦したいという思いから、アニメ『デジモン』に登場するオメガモンの制作に着手しました。

この作品における工夫点は複数あります。

一つ目は質感です。今回のオメガモンは、仮想空間に存在するキャラクターとしてではなく、まるで現実世界に存在するプラモデルのような「おもちゃ」として表現することを想定しました。そのため、表面には艶消し加工を施し、よりマットな表現を目指しました。

二つ目は表面のディテールです。オメガモンはロボットのようなメカモデリングに分類されるため、ロボット特有の溝を各所に施しました。ある程度はリファレンスを参考にしましたが、全体のバランスを考慮し、溝の位置や数を私なりに調整しています。

三つ目は左手の刀です。モデルとしては単に刀が配置されているだけに見えますが、刀の柄については自身で詳細に調べ上げ、マテリアルのデザインや質感、そしてノーマルマップを自作しました

四つ目は見えないオブジェクトの制作です。メカモデリングの関節パーツは、見た目としてはほとんど見えないため、制作しなくても問題はないと思われがちです。しかし、私は可能な限りリファレンスを収集し、実際のキャラクターと同じような関節パーツを忠実に再現することで、見えない部分へのこだわりも表現しました。

これらの工夫を通じて、単なるキャラクターの再現に留まらず、存在する場所を考慮した、深みのある作品を目指しました。