アプリ制作

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これまでブラウザ向けのゲーム開発経験はありましたが、スマートフォンアプリ、特にiOSプラットフォームでのゲーム開発はこれが初めての試みとなりました。また、これまでは3Dグラフィックスを主体とした制作が中心だったため、本作品では新たな挑戦として2Dグラフィックスのゲーム開発に取り組みました。

開発したゲームは、一定時間ごとに出現する猫の視線を巧みに避けながら、ネズミがステージ内の遮蔽物に隠れてゴールを目指すという、シンプルなルールの2Dステルスアクションゲームです。

プレイヤー体験の向上と、より長く楽しんでいただけるよう、以下の点を工夫しました。

UIの最小化と直感的な操作性の実現: 一般的な2Dモバイルゲームでは画面下部に左右移動ボタンが配置されがちですが、これによりプレイヤーの手が常に特定の位置に固定されることの認知負荷を軽減したいと考えました。そこで、画面の左半分をタップすれば左へ、右半分をタップすれば右へ移動するという直感的な操作方法を採用し、よりゲーム画面に集中できる体験を目指しました。

飽きさせないレベルごとの変化: レベルが進行するにつれて、ステージ内に出現するオブジェクト(遮蔽物など)のバリエーションや、敵である猫の挙動(視界の範囲、移動パターンなど)が変化するように設計しました。これにより、単調さを避け、プレイヤーが長時間にわたり新鮮な気持ちで楽しめるよう工夫しました。

戦略性を生む猫の挙動バリエーション: 出現する猫の挙動はレベルごとに変化しますが、単に移動スピードが速くなるだけではありません。レベルが上がるにつれて、非常に素早い動きの猫から、意表を突くようなゆっくりとした動きの猫まで、多様なスピードやパターンの猫が出現するようにしました。これにより、プレイヤーは常に猫の動きを予測し、対応する必要があり、ゲームの戦略性を高めています。

自然な進行方向への誘導と画面遷移: プレイヤーキャラクターであるネズミが右へ移動するとカメラも追従しますが、ネズミが左へ後退しようとしてもカメラは固定され、かつ画面左端にはコライダー(衝突判定)を設けることで画面外への移動を制限しました。これにより、プレイヤーに自然と右方向(ゴール方向)へ進むことを促すゲームフローを構築しました。

本作品は、Unity上で開発するだけでなく、実際にApp Storeでリリースまで行いました。その結果、多くの友人や研究室のメンバーに実際に遊んでもらうことができ、「ついついハイスコアを目指してしまう」といった好意的なコメントを多数いただきました。中には、私よりも高いスコアを達成し、それを嬉しそうに報告してくれる友人もいて、開発者として大きな喜びを感じました。

このように、自身でアイデアを形にし、工夫を凝らしてゲームを制作し、それを世に送り出し、実際に遊んでくれた人たちから直接的なフィードバックをいただくという一連のサイクルは、私の創作活動における大きな原動力となっています。この経験を通じて得た学びや喜びを、今後のさらなる創作活動にも活かしていきたいと考えています。